通学路沿いの危険空き家が強制撤去。空き家対策は「人の問題」から
「誰も悪くないのに、最悪の結末になる」空き家の現場では、そんなケースが本当に起きます。
佐賀県伊万里市で、通学路沿いの危険な空き家が「略式代執行」で強制撤去され、費用は約385万円。
所有者は亡くなり、相続人は全員放棄。結果として管理する人がいない空白が生まれました。
このニュースは、空き家対策が「建物」ではなく「人と意思決定」の問題だと教えてくれます。
空き家ビジネスの成功も、実はそこにあります。
伊万里市の強制撤去は、なぜ起きたのか
佐賀県伊万里市で、通学路に面した木造2階建ての空き家が強制撤去されました。
背景にあったのは「倒壊のおそれ」と「管理者不在」です。
報道によれば、2年半前に瓦が崩れ、市は所有者へ対策を求めていました。
しかしその後、所有者が亡くなり、相続の対象者は全員が相続放棄。
結果として誰も管理しない状態が続き、撤去に踏み切られました。
「略式代執行」とは?
ポイントは「所有者が不明・いない」状態でも動けること
今回使われたのが「略式代執行」。
伊万里市の発表でも、相続放棄によって所有者等が不在となり、倒壊リスクが迫っているため、市が除却(撤去)を行うと説明されています。
ふつうの手続きより“段取りを短縮して進める”イメージで、命や安全に関わる局面で選ばれやすい方法です。
撤去費用385万円、結局だれが負担する?
報道では撤去費用はおよそ385万円で、市の負担とされています。
もちろん、行政が悪いわけではありません。通学路で倒壊リスクがある以上、放置はできない。
子どもたちの安全と地域の生活を守る判断です。
ただ一方で、これが続くと「撤去費=税負担」が積み上がっていく構造になります。
ここに、空き家ビジネスが果たせる役割があります。
「誰も悪くない」のに最悪になる理由=管理の空白
相続放棄を聞くと「無責任」と感じる人もいます。でも現場では、もっと複雑です。
よくある詰みパターン
・遠方で通えず、管理が物理的に難しい
・修繕や解体に回すお金がすぐに用意できない
・家族の合意形成ができず、決める人がいない
・親が高齢で判断力が落ちているが、子が勝手に動けない
つまり空き家問題は「建物の老朽化」だけでなく、意思決定の停止で一気に悪化します。
そして行政が動く頃には、すでに“選択肢が減っている”ことが多いんです。
空き家ビジネスの成功は「撤去の前」にある
ここが参入者にとって一番大事です。
空き家対策の本番は、強制撤去の場面ではなく、その手前の2〜3年にあります。
勝ち筋①「予防型・見守り型」の管理サービス
月1回〜数回の巡回、通風・通水、外観確認、写真記録、近隣への一次対応。
こうした“当たり前の管理”があるだけで、倒壊や苦情、行政対応のリスクが下がります。
価格は地域・内容で変動しますが、月額で比較的始めやすいメニューが作りやすい領域です。
勝ち筋②「相続前」の家族会議サポート
相続は、発生してから動くと時間が足りません。相続放棄には期限があり、短期で判断を迫られます。
だからこそ、元気なうちに
・誰が管理するか
・売る・貸す・維持するか
・最低限の費用をどう捻出するか
を整理しておく支援が価値になります。
参入者が単独で相続を扱う必要はありません。
士業(司法書士・行政書士・税理士)と連携し、あなたは「現場・管理・段取り」に強いポジションを取る。これが堅いです。
勝ち筋③ 自治体・地域との連携
伊万里市の発表でも、通学路であること、倒壊で孤立リスクがあることが記載されています。
行政は「現場を見に行く人手」が足りません。
だからこそ、民間側が
・初動の安全確認
・近隣説明の補助
・写真・記録の整備
・所有者探索のサポート(※法令に配慮)
を担えると、地域側の安心につながります。
この記事の背景や現場目線の補足は、ぼくの「空き家ビジネスnote」で詳しく解説しています。
















