「空き家等対策の推進に関する特別措置法」No.42

第9条 市町村長は、当該市町村の区域内にある空き家等の所在及び当該空き家等の所有者等を把握するための調査、その他空き家等に関しこの法律の施行のために必要な調査を行うことができる。

2 市町村長は、第14条第一項から第三項までの規定の施行に必要な限度において、当該職員又はその委任したものに、空き家等と認められる場所に立ち入って調査させることができる。

3 市町村長は、前項の規定により当該職員又はその委任したものを、空き家と認められる場所に立ち入らせようとするときは、その5日前までに、当該空き家等の所有者等にその旨を通知しなければならない。ただし、当該所有者等に対し通知することが困難であるときはこの限りではない。

4 第二項の規定により空き家等と認められる場所に立ち入ろうとするものは、その身分を示す証明書を携帯し、関係者の請求があったときは、これを掲示しなければならない。

5 第二項の規定による立ち入り調査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。

Q42: 特定空き家等に該当すると認められる朽ち果てた家屋を立入調査する際、その敷地の周りが壊れた塀で囲まれ、しかも門戸が閉まっているとき、塀を乗り越えて無人の敷地に立ち入ることができるか。

A42:1 本項の立入調査は、罰則による間接強制が認められているにすぎないから、物理的強制力を直接用いてまで立入調査を執行することはできない。
他方、空き家等の所有者等の承諾を要件としていないから、市町村長が本条に定める手続きを経たうえで立入調査を行うまでに所有者等の承諾が得られない場合でも、立入調査を実施することができる。

2 したがって、本門のように特定空き家等に該当すると認められる朽ち果てた家屋がある敷地が塀で囲まれ、門戸が閉まっているとしても、そのような塀を乗り越えて敷地に入ることは、門戸(施錠も含む)や塀を破壊するなどの物理的強制力を用いない限りにおいて許されるとも考えられる。

3 この点、確かに、所有者等のプライバシー侵害が問題となりうる。
しかし本項の立入調査は、「居住その他の使用がなされていないことが常態である」空き家等について行われるものであり、プライバシーへの侵害は比較的軽微といえる一方で、所有者等が適切な管理を行わないことによって、例えば朽ち果てた家屋が倒壊する危険が高い、あるいは今にも屋根雪による家屋崩落の危険があるなど、周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態にあると認められた場合に、必要な限度で行われるものであることに鑑みれば、所有者等も受忍すべきであると考える

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