空き家の屋根に小型カメラ。香川県で発覚した「犯罪グループの新手口」と防犯の盲点
「とりあえず鍵をかけていれば大丈夫」空き家の防犯対策として、そう思っている方はまだ多いかもしれません。
ところが最近、犯罪グループの手口はその一歩先を来ています。
香川県では空き家の屋根に小型カメラが設置され、近隣住宅の「留守のタイミング」を遠隔監視していた事例が確認されました。
つまり空き家は盗まれる側ではなく、犯罪の「足場」として使われていたんです。
この構造を知ると、空き家管理が単なる草刈りや清掃ではなく、地域の安全インフラを担う重要なビジネスであることが見えてきます。
参入を検討している方、すでに事業を展開している方に向けて、今回の事例から読み取れる市場の変化を整理します。
香川県で確認された「新手口」の概要
2026年、香川県内の空き家でバッテリー2台と接続された小型カメラが発見されました。
設置場所は屋根の上。目的は、ターゲットに定めた近隣住宅の住民が不在になるタイミングを遠隔で把握するためだったとみられています。
空き家そのものが被害を受けたわけではありません。どうやら「誰も管理しに来ない、人目のない場所」として、犯罪グループに利用されたんです。
なぜ空き家が「踏み台」になるのか
犯行グループにとって、管理されていない空き家は理想的な拠点です。
訪問者がなく、屋根や室外機の裏に何かを設置しても気づかれない。発見されるまでに数週間かかることも珍しくありません。
これはある意味、わかりやすい構造です。「誰も気にかけていない場所=使い放題の場所」ということです。
管理頻度が低いほど、リスクは高くなります。
「地方は安全」という思い込みの危うさ
トクリュウ(SNSなどを通じて集められた人員が役割分担して犯罪を行う匿名・流動型の犯罪グループ)の特徴は、特定の地域に拠点を持たない点にあります。
実際、過去には群馬県を拠点とするグループが四国を繰り返しターゲットにしていた事例も確認されています。
地方だから安全、田舎は狙われない。
そういう前提は、現状では通用しにくくなっています。防犯意識が低く、人目が少ない地域ほど、グループにとっては「コスパが良い」エリアになりうるからです。
空き家管理ビジネスが防犯機能を担う時代
巡回・管理が「抑止力」になる
管理事業者が定期的に訪問している空き家は、それだけで犯行グループにとって「リスクの高い場所」と判断されます。
月1回の巡回であっても、「人が来ている形跡」は大きな抑止力になります。
これは、これまでの空き家管理サービスがもともと提供してきた機能です。ただ、今後はこれを防犯価値として明示的にアピールできる時代に入ったと考えていいかもしれません。
異業種参入の切り口として
今回のような事例が増えることで、空き家管理への需要は「家を維持したい」という動機だけでなく、「地域の安全を守りたい」「リスクを回避したい」という動機からも生まれるようになります。
警備業・保険業・損害調査・不動産管理・造園・解体…。
こうした業種の事業者にとって、防犯視点を軸にした空き家管理サービスは、既存顧客への付加価値として機能する可能性があります。
サービス設計のヒント「見せる防犯」という発想
センサーライトや防犯カメラの設置は、「監視されている」という印象を与えることで近づきにくい環境を作ります。
これは近年、防犯の世界で「CPTED(犯罪予防環境設計)」と呼ばれる考え方に近い発想です。
空き家管理サービスのオプションとしてこうした設備提案を加えることは、単価向上にもつながりうる選択肢のひとつです(導入コストや効果は物件・地域によって異なります)。
現場でできる確認ポイント
既存の管理物件を持つ事業者は、今後の巡回時に以下の箇所を追加チェックすることをおすすめします。
- 屋根の上・軒下(見慣れない器具がないか)
- エアコンの室外機の下・裏側
- 庭の植え込みや生垣の中
- ガレージの隅・物置の隙間
- 自転車のかご
不審なものを発見した場合は、素手で触らずそのままの状態で警察に連絡することが鉄則です。証拠保全の観点から、この手順は所有者・管理者ともに徹底が必要です。
空き家管理の「意味」が変わっている
管理されていない空き家は、今や所有者だけのリスクではなく、周辺地域への波及リスクにもなりうる時代です。
そして逆に言えば、適切に管理された空き家は地域の安全に貢献できます。
「誰かが気にかけているかどうか」。この一点で、空き家が地域の資産になるか、リスクになるかが分かれます。
そこにビジネスとしての空き家管理の本質的な価値があると、私たちは考えています。
この記事の背景や現場目線の補足は、ぼくの「空き家ビジネスnote」でも解説しています。
















