「空き家等対策の推進に関する特別措置法」No.4

実地研修2018年1月20日

Q4:次のような「現に居住していない家屋」は「空き家等」に該当するか。

  • 現に居住してはいないが、所有者等が時々出入りして物置として利用している家屋
  • 現に居住してはいないが、週末には農作業のために訪れ、着替えや休憩の場所として利用し、農機具も置いている家屋
  • 現に居住しておらず物も置いたりもしていないが、将来利用する意思があり、たまに換気するなど管理行為は行っている家屋

 

A4: 本法にいう「空き家等」と認められるためには、「居住その他の使用がなされていないことが常態であるもの」、すなわち「人の住居や店舗として使用するなど建築物として現に意図をもって使い用いていないことが長期間にわたって(概ね年間を通じて)継続している状態」であると認められる事が必要である。したがって、建築物として使用実態が認められるのであれば、一般に「空き家等」には該当しない。

①「現に居住してはいないが、所有者が時々出入りして物置として利用している家屋」については、該当家屋を住居として使用するものではないものの、屋根及び柱又は壁を有する建築物として、物品を保管する「物置」として使用していることから、「居住その他の使用」がなされると考えられるから、一般に「空き家等」には該当しないと考えられる。

ただし、所有者等が出入りすることが年間を通じてなく、あっても数年に一度というような場合は、物品を放置しているに過ぎず、「物置と使用している」とは認められない結果、「空き家等」に認定されうる。

②同様に「現に居住してはいないが、週末には農作業のために訪れ、着替えや休憩の場所として利用し、農機具も置いている家屋」についても、屋根及び柱又は壁を有する建築物として農機具を保管する「物置」ないし「更衣所」としての使用があるから、一般に「空き家等」に該当しないと考えられる。

③他方、「現に居住しておらず物を置いたりもしていないが、将来利用する意思があり、たまに換気するなど管理行為は行っている家屋」については、使用の実態がない以上、「居住その他の使用」がなされていないと考えられるから、一般に「空き家等」に該当すると考えられる。

なお、本事例では、「将来利用する意思があり、たまに換気するなど管理行為は行っている」が本法では、条例上「使用」と「管理」と区別し「管理されていない空き家等」との概念を用いていることから明らかなように、管理行為があってもなお「空き家等」に該当しうる。たまに換気する程度の管理行為のみでは、建築物として現に意図をもって使い用いているとまでは言えない場合が多いであろう。

また、「将来利用する意思」が漠然とあるだけでは、建築物等を「使用」しているとは認められず「空き家等」と認められることもあろう。

ただし、近い将来、自ら居住し、又は他人に貸すなどして使用する具体的な予定があり、これに備えて当該建築物等の清掃や換気を行っているなど、具体的な使用に向けた準備行為があると認められる場合は、「空き家等」では無いと認められるであろう。

 

 

以上、前回に続いて、第2条(定義)の部分ですがこの第2条の部分が今回の特措法の中でもかなりボリュームがあるところです。

そもそも空き家とは・・・というところで各自治体も悩ましいところですね。

協議会の設置において「特定空き家」の線引きでの重要な部分ですのでじっくり議論されるところでもあります。

特措法の施行後でもなかなか動きが鈍いのはこういったデリケートな問題があるからでしょうね。

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