【改正空き家対策特別措置法】No.89
2023年12月【改正空き家対策特別措置法】が施行されました。
今回の改正空き家対策特別措置法、概要としては
- 所有者の責務強化
現行の適切な管理の努力義務に加え、国、自治体の施策に協力する努力義務を追加
- 空き家等の活用拡大
空き家の活用が必要と認める区域を「空き家等活用促進区域」と定め、接道規制や用途規制を合理化し、これまで難しかった空き家の用途変更や建替え等を促進
市区町村長は、空き家の管理や活用に取り組むNPO法人、社団法人等を「空き家等管理活用支援法人」として指定、同意を得た所有者情報を提供し、法人は委託に基づく管理や活用を行う
- 空き家等の管理の確保
市区町村長は放置すると特定空き家になりそうな空き家に関して「管理不全空き家」として、指導、勧告。勧告を受けた管理不全空き家等の敷地は固定資産税の住宅用地特例を解除。
- 特定空き家等の除却等
所有者不明時の略式代執行、緊急代執行の費用徴収を円滑化。代執行の費用の徴収が国税滞納徴収の例により、所有者の財産から強制的に徴収することが可能。
といったところです。
現行法は「特定空き家」への対応を中心に制度的措置を定めていますが、特定空き家になってからの対応には限界があり、その前段階での対応が必要となります。
そこで今回の改正法の目玉は【管理不全空き家】制度かと思います。放置すれば「特定空き家」になるおそれがある場合に指定され、窓が割れていたり雑草が生い茂ったりしている物件を想定。
管理不全と認定された空き家について更地と同じ固定資産税がかかるという事で、税金が約6倍になるというところです。
ここでは【改正空き家対策特別措置法】で改正や新設された部分をQ&A方式で説明していきたいと思います。
第3条関係(国の責務)
第3条 国は、空き家等に関する施策を総合的に策定し、及び実施する責務を有する。
2 国は、地方公共団体その他の者が行う空き家等に関する取組のために必要となる情報の収集及び提供その他の支援を行うよう努めなければならない。
3 国は、広報活動、啓発活動その他の活動を通じて、空き家等の適切な管理及びその活用の促進に関し、国民の理解を深めるよう努めなければならない
Q:89 本条を踏まえ、具体的に国はどのようなことを行うのか。
A:89 本条を踏まえた国の役割については、基本指針において記載されている。
例えば、基本指針を定め、国の関係行政機関内において、空き家等対策の必要性や空き家等の活用の有効性についての認識の共有を図ることに加え、法の内容について、地方公共団体等に対して具体的に周知を図りつつ、市町村長による管理不全空き家等又は特定空き家等に対する措置に関し、その適切な実施を図るために必要な指針を定めること等により、市町村による空き家等対策の適切な実施を支援すること等である。
また、空き家等の活用や、適切な管理、除却の促進に関し、国民の理解を深めるため、都道府県や市町村、民間団体とも連携しながら、パンフレットやウェブサイトを用いた情報提供に加え、動画配信や説明会の開催等を積極的に行うことに努めることとしている。
このほか、法第29条を踏まえ、市町村が行う空き家等対策を交付金制度や補助制度、特別交付税措置等により支援することとしているほか、空き家の発生を抑制するための税制上の特例措置(所得税・個人住民税の特例)等を講じている。
















