東京近郊のベッドタウンを襲う少子高齢化の波
空き家の問題が地方だけの問題ではないということがよくわかります。
東京近郊でも交通の便や都心からの距離、路地の問題などで空き家のままになってしまうケースが増えてきてます。
今、東京郊外の住宅地で、「スポンジ化現象」が急速に進行しています。スポンジ化とは、エリア一帯に空き地や未利用地が点在し、スポンジのように低密度化を引き起こす現象です。
1都3県でも、空き家は増加しつづけています。1都3県の空き家率は、昭和63年の8.2%から11.3%に上昇しました。
それでも全国平均(16.4%)と比べればそれほど深刻ではないとも言えますが、エリア別にみると状況は変わってきます。ここで、狭義の空き家率(賃貸・売却用物件を除いた数値)を都心からの距離別に比較してみます。
30km圏(府中市・横浜市ほぼ全域・さいたま市等)までは、空き家率が2%台にとどまりますが、40㎞圏(町田市・相模原市・川越市・千葉市等)では3%を超え、60km圏(平塚市・鳩山町・東金市)では4%台、70㎞圏(小田原市・熊谷市・九十九里町)では6%台に達します。そして郊外部の方がより強く上昇傾向が表れています。
都心から京浜急行で1時間、米海軍基地でも有名な横須賀市は、湘南鷹取や馬堀海岸などが古くからのベッドタウンとして発展、昭和30年は28万人に過ぎなかった人口が平成2年には5割増の43万人にまで増加しました。
ところが、そこから人口は減少に転じます。海岸線が入り組む地形や山間部の多さ、バス便の少なさなどが災いし、若年層を中心に横浜市等への流出が続いているようです。
典型的なのが、谷戸と呼ばれる谷間エリアに作られた細い路地が入り組む住宅地です。こうした地域は高齢化が進み6軒に1軒が空き家という状況です。
横浜でも率的には少ないですが空き家の戸数としては結構な数があるそうで、路地が狭いなどのエリアによっては空き家化が進んでいるところもあるようです。
横須賀に関しては以前から空き家の問題が表面化しており対策が進められているようですが今後の対策に期待したいところです。
ある時期急激に増えた地域が空き家化に進んだときの荒廃感は悲しいものがありますね。