空き家解体の最大のブレーキを外す。千葉市の新制度で市場は動く?
「空き家を何とかしたい。でも壊すと税金が上がる…」
現場でよく聞くこの悩みに、千葉市が制度面から切り込みました。
空き家を除却(解体)して更地にした結果、住宅用地特例が外れて税負担が増える。
その増えた分を条件付きで減免する条例案です。
結論から言うと、これは所有者の心理的ハードルを下げ、解体・不動産・土地活用・管理など周辺市場を動かす可能性があります。
空き家ビジネス参入者は「補助金」だけでなく「税の設計」も読めると強いです。
千葉市が検討する「空き家解体後の税負担減免」とは?
千葉市は、空き家を除却して更地にしたことで増えてしまう固定資産税・都市計画税(固定資産税等)の増額分を減免する条例案について、パブリックコメントを実施しています(意見募集:令和8年1月23日〜3月2日)。
狙いはシンプルで、「壊したいのに壊せない」最大のブレーキを外すこと。
千葉市自身も、空き家を除却して更地にすると住宅用地特例が適用されなくなり税負担が増えることが、放置の一因になっていると整理しています。
「空き家を壊すと税金が上がる」問題の正体
土地の税負担には、いわゆる住宅用地特例があります。
ざっくり言うと「住宅が建っている土地」は税負担が軽くなる仕組みで、条件によっては課税標準が大きく圧縮されます。
ところが、空き家を解体して更地になると、この特例が外れ、翌年度以降の税負担が増える可能性が出てきます。
ここが、所有者の意思決定を止める“見えない壁”になりやすい。
実際、千葉市の資料でも「更地になると固定資産税等の負担が増加する」が、困りごとの最多回答(所有者アンケート)として示されています。
補助金との違いは「一回きり」か「毎年の負担」か
空き家対策といえば、解体補助金を思い浮かべる方も多いです。
ただ補助金は、基本的に初期費用の一部を下げる施策。
一方で今回の千葉市の発想は、
解体後に増える負担そのものを軽くする方向です。
ここが効くポイントで、現場感としては
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「お金が足りない」だけで止まっている人
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「壊した後が怖い(税・草刈り・売れない等)」で止まっている人
後者がけっこう多いんですよね。
だからこそ、補助金だけでは動かなかった層が、不安が薄まった瞬間に動き出す可能性がある。
この変化を読めるかどうかが、ビジネス側の勝負どころになります。
これからは「制度を読める現場」が強い
千葉市の条例案は、空き家の現場が抱えてきた矛盾に、制度側から手を入れる試みです。
そしてこれは、空き家ビジネスにとって「追い風」になり得ます。
空き家は、解体・仲介・管理・士業・福祉・警備など、異業種連携で強くなる市場です。
協会としては、こうした制度の変化を読みながら、現場で実装できる人材・ネットワークを増やしていきます。
※税・制度の適用可否や詳細は自治体・税務担当窓口等で確認が必要です(本記事は制度理解の整理を目的とした一般情報です)。
この記事の背景や現場目線の補足は、ぼくの「空き家ビジネスnote」で詳しく解説しています。
















