JAL・ANAが二地域居住を支援する理由と、地方に生まれる新しい需要
航空会社が「通う人」を育て始めた
JALは2026年度、二地域居住プログラム「つながる、二地域暮らし2026」の対象を全国36市町村に広げました。
対象地域を一往復すると、次回の訪問に使えるマイルが付与される仕組みです。
運営はグループの新会社KANTSUNAが担い、自治体のパートナーとして住まいや仕事、地域との接点づくりまで支援を目指しています。
ANAは「ANAの二地域居住 BLUE SKY LIFE」で、仕事・子育て・趣味を入り口にしたお試しプランを20自治体に広げ、ANA SKYコインで移動費を支えています。
10月からはJR西日本と組み、関西からの鉄道移動も支援対象に加えました。
狙いは利用者数より「関係の継続」
両社に共通するのは、一度きりの旅行客ではなく、何度も同じ地域へ通う人を増やそうとしている点です。
住んではいないけれど繰り返し地域に関わる人は「関係人口」と呼ばれます。ざっくりいえば、町の常連さんのような存在です。
移住を待つ人口対策の限界
地方の人口対策では、移住者の数を目標に掲げる例が多く見られます。ただ、細かな施策を積み上げても、人口全体の減少を止めるのは容易ではありません。
住む人を増やすのが難しいなら、通う人を増やす。航空会社の動きは、この発想の転換を後押しするものといえます。
移動の次に来る「住まい」の課題
泊まれる家がなければ、通いは続かない
移動費の支援があっても、滞在先の確保は残ります。毎回の宿泊費は負担になりやすく、賃貸は短期利用に向かない場合もあります。
家族の実家や地域の空き家が選択肢になりますが、長く使われていない家は、通気や水回り、寝具などの面で、すぐには暮らせない状態であることも少なくありません。
事業者に生まれうる出番
ここに、地方の住まいに関わる事業者の役割が見えてきます。
不動産業には、短期・定期利用に合った貸し方の提案。
リフォーム業には、最低限暮らせる状態への改修。
管理・警備業には、不在期間の見回りや通気・通水といった定期的な手入れ。いずれも既存業務の延長として組み立てやすい領域です。
今のうちに準備しておきたいこと
航空会社の支援は、自治体の補助や事業判断によって内容が変わる可能性があります。
支援そのものに頼るより、「通う人」が増えたときに受け皿となる家を、地域の中でどれだけ使える状態に保てるかが問われそうです。
まずは自社のエリアがJAL・ANAの対象地域に入っているかを確認し、自治体の二地域居住施策の担当窓口とつながっておくことが、現実的な第一歩になります。
この記事の背景や現場目線の補足は、ぼくの「空き家ビジネスnote」でも解説しています。

















