「空き家等対策の推進に関する特別措置法」No.68

第14条 市町村長は、特定空き家等の所有者等に対し、当該特定空き家等に関し、除却、修繕、立木竹の伐採その他周辺の生活環境の保全を図るために必要な措置(そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態又は著しく衛生上有害となるおそれのある状態にない特定空き家等については、建築物の除却を除く。次項において同じ。)をとるよう助言又は指導をすることができる。

2 市町村長は、前項の規定による助言又は指導をした場合において、なお当該特定空き家等の状態が改善されないと認めるときは、当該助言又は指導を受けた者に対し、相当の猶予期限を付けて、除却、修繕、立木竹の伐採その他周辺の生活環境の保全を図るために必要な措置をとることを勧告することができる。

3 市町村長は、前項の規定による勧告を受けた者が正当な理由がなくてその勧告に係る措置をとらなかった場合において、特に必要があると認めるときは、その者に対し、相当の猶予期限を付けて、その勧告に係る措置をとることを命ずることができる。

4 市町村長は、前項の措置を命じようとする場合においては、あらかじめ、その措置を命じようとする者に対し、その命じようとする措置及びその事由並びに意見書の提出先及び提出期限を記載した通知書を交付して、その措置を命じようとする者又はその代理人に意見書及び自己に有利な証拠を提出する機会を与えなければならない。

5 前項の通知書の交付を受けた者は、その交付を受けた日から5日以内に、市町村長に対し、意見書の提出に代えて公開による意見の聴取を行うことを請求することができる。

6 市町村長は、前項の規定による意見の聴取の請求があった場合においては、第3項の措置を命じようとする者又はその代理人の出頭を求めて、公開による意見の聴取を行わなければならない。

7 市町村長は、前項の規定による意見の聴取を行う場合においては、第3項の規定によって命じようとする措置並びに意見の聴取の期日及び場所を、期日の3日前までに、前項に規定する者に通知するとともに、これを公告しなければならない。

8 第6項に規定する者は、意見の聴取に際して、証人を出席させ、かつ、自己に有利な証拠を提出することができる。

9 市町村長は、第3項の規定により必要な措置を命じた場合において、その措置を命ぜられた者がその措置を履行しないとき、履行しても十分でないとき又は履行しても同項の期限までに完了する見込みがないときは、行政代執行法(昭和23年法律第43号)の定めるところに従い、自ら義務者のなすべき行為をし、又は第三者をしてこれをさせることができる。

10 第3項の規定により必要な措置を命じようとする場合において、過失がなくてその措置を命ぜられるべき者を確知することができないとき(過失がなくて第1項の助言若しくは指導又は第2項の勧告が行われるべき者を確知することができないため第3項に定める手続により命令を行うことができないときを含む。)は、市町村長は、その者の負担において、その措置を自ら行い、又はその命じた者若しくは委任した者に行わせることができる。この場合においては、相当の期限を定めて、その措置を行うべき旨及びその期限までにその措置を行わないときは、市町村長又はその命じた者若しくは委任した者がその措置を行うべき旨をあらかじめ公告しなければならない。

11 市町村長は、第3項の規定による命令をした場合においては、標識の設置その他国土交通省令・総務省令で定める方法により、その旨を公示しなければならない。

12 前項の標識は、第3項の規定による命令に係る特定空き家等に設置することができる。この場合においては、当該特定空き家等の所有者等は、当該標識の設置を拒み、又は妨げてはならない。

13 第3項の規定による命令については、行政手続法(平成5年法律第88号)第三章(第12条及び第14条を除く。)の規定は、適用しない。

14 国土交通大臣及び総務大臣は、特定空き家等に対する措置に関し、その適切な実施を図るために必要な指針を定めることができる。

15 前各項に定めるもののほか、特定空き家等に対する措置に関し必要な事項は、国土交通省令・総務省令で定める。

Q68:例えば緊急を要し手続きをとる暇がない事態が生じた場合であっても、必ず助言・指導、勧告、命令の三段階を経る必要があるのか。

A68:法第14条では、対象となる「特定空き家等」の内容が、「そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある」など、将来の蓋然性を考慮した内容を含み、かつ、その判断の裁量の余地もあり、また措置内容も所有者等の財産権を制約する側面があることから、よりソフトな手段による働きかけである助言又は指導からはじめ、勧告を経て命令を行うという慎重な手続きにより、行政が予防的な段階から「特定空き家等」の所有者等に接触して必要な措置につき働きかけをすることが望ましため、必ず助言・指導、勧告、命令の三段階を経る必要があることにしている。

2 このため、仮に、既に倒壊等著しく保安上危険となっている状態や著しく衛生上有害となっている状態にある「特定空き家等」で、台風等が差し迫る状況で地域住民の生命、身体又は財産に危害を及ぼしかねないような緊急事態の場合等であっても、「特定空き家等」の所有者等を確知している以上は、この法律に基づき対応するのであれば、この三段階のプロセスを省略することはできない。したがって市町村長は、法第14条第1項から第3項までに基づくプロセスに則りつつ、早急に「特定空き家等」の所有者等に働きかけ、迅速に必要な措置をとるように促す必要がある。

3 なお、このような緊急事態において、他法に基づく応急措置の例としては、例えば災害対策基本法に基づく応急公用負担(同法第64条)、道路法に基づく非常災害時における土地の一時使用等(同法第68条)、警察官職務執行法に基づく避難等の措置(同法第4条)などが考えられる。

4 また、当該「特定空き家等」の所有者等を過失なくして市町村長が確知できない場合には、市町村長は、第14条第10項に基づき、助言・指導、勧告、命令のプロセスの一部または全部を省略して、必要な措置を自ら行う等の代執行措置(いわゆる略式代執行)が可能となっており、緊急事態によっては、本措置で対応できるものもあると考える。

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