空き家ビジネス、今がチャンスな理由を数字で説明します。
改正空家法で新設された「空家等管理活用支援法人」。公表データでは指定が全国で増え、行政が民間と組む“公式の入口”が見えてきました。参入メリットと落とし穴、今日からの一歩を整理します。
空き家ビジネスに興味はある。
でも「自治体と連携が大事」と言われても、どこに行って、何を話せばいいのか分からない。
これ、参入検討の人ほど最初につまずくポイントです。
ただ、ここ1〜2年で状況が変わりました。改正空き家法で「空き家等管理活用支援法人」という“行政が認める受け皿”ができ、連携の道筋が見え始めています。
このトピックスでは、最新の動きが示す市場性を整理しつつ、参入者が取りに行くべき勝ち筋と、失敗しやすい落とし穴、最初の実務手順をまとめます。
「空き家等管理活用支援法人」は、行政と民間が組むための“公式ルート”です。
空き家は「増えること」より「管理されないこと」が問題で、管理ニーズはすでに顕在化しています。
参入は“いきなり大きく”ではなく、自治体確認→商品化→小さな実績づくりが最短です。
改正空家法で新しく整備されたのが「空家等管理活用支援法人」。
ざっくり言うと、自治体が指定し、空き家の管理・活用を後押しする団体です。
公表データ(令和7年3月末時点)では、指定は全国で95法人・64市町村まで進み、さらに120法人が98市区町村で検討中とされています。
つまり、行政側も「民間の力を借りないと回らない」という現実を前提に動き出した、ということ。
同じく、放置で危険度が上がりつつある「管理不全空家等」への対応も増えています。
指導が3,211件(185市区町村)、勧告378件、緊急代執行12件という数字は、現場に“管理の仕事”が既に溜まっていることを示唆します。
ここで大事なのは、空き家そのものを悪者にしないこと。
問題は「管理されず、地域から関心が消える状態」です。
逆に言えば、適正管理ができれば、空き家は地域の資源になり得ます。
ビジネス機会(参入者が得られる価値)
1)行政連携の“入口”が明確になった
「どこに相談すればいいか」が曖昧だと、営業は空回りします。支援法人は、自治体側の窓口設計の一部になり得るため、関係づくりのルートが具体化します。
例:地域の団体・事業者が、相談対応/所有者への助言/管理メニューの提示をセットで提案しやすい。
2)管理ニーズは“定期”で積み上がる(ストック型)
空き家管理は、単発の工事より定期巡回・点検・報告が価値になります。
例:建設・リフォームは「初期整備」、警備は「巡回・異常検知」、造園は「繁茂管理」、士業は「相続・名義・契約」など、役割分担でメニュー化しやすい。
3)「活用」へつなぐ周辺サービスが伸びる
管理が整うと、次は利活用(賃貸・売買・転用)に進みます。
例:不動産は募集・媒介、福祉は見守り導線、地域団体は移住や創業支援との接続。管理→活用の導線を作れる人が強いです。
落とし穴(失敗しやすい点を3つ)
1)「行政と組めば仕事が来る」幻想
連携=自動で案件発生、ではありません。まずは役割と範囲を決める必要があります。
回避策:最初は「相談対応」「管理メニューの提示」「報告様式」の3点を整え、実証(小さな運用)から始める。
2)現場品質がブレる(クレームの原因)
空き家管理は“見えにくいサービス”。報告が弱いと価値が伝わりません。
回避策:写真・チェックリスト・コメントの報告テンプレ、緊急時フロー、協力会社の基準(時間・費用・連絡)を先に決める。
3)採算が合わない(移動・人件費で崩れる)
1件は黒字でも、移動が増えると利益が消えます。
回避策:エリアを絞り、巡回ルート化。まずは月◯件で回る設計を作ってから広げる。必要なら業務提携で補完する。
空き家ビジネスは、熱量だけで走ると「品質」と「採算」でつまずきやすい分野です。
空き家管理士協会では、参入者が遠回りしないために、基礎知識の整理(制度・現場・連携)実務の型(チェック・報告)全国の事例共有を重視しています。
「まずは情報収集だけ」でも大丈夫です。
自治体との話し方や、サービス設計の壁打ちなど、状況に合わせて一緒に整えていきましょう。
この記事の背景や現場目線の補足は、ぼくの「空き家ビジネスnote」で詳しく解説しています。
















