年収500万円で青山に住む?「アフォーダブル住宅」が変える未来

都心の住宅高騰に対し、東京都は官民連携で相場より抑えた家賃の「アフォーダブル住宅」を供給する仕組みを進めています。

実はこの発想、地方の空き家活用にも応用可能。参入者のチャンスと落とし穴を整理します。

「都心で働く普通の人が、働く街に住めない」この違和感、感じたことはありませんか。

住宅価格や家賃が上がる一方で、公的住宅は対象が限られ、真ん中の層が置き去りになりやすい。

そこで東京都が打ち出したのが、官民連携で「手が届く家賃」の住まいを増やすアフォーダブル住宅です。

そして実は、この設計思想は「地方の空き家」をビジネスとして回すヒントにもなります。

このトピックスでは、東京都の動きの要点を押さえつつ、空き家ビジネスの市場性・機会・失敗しやすい点、そして今日からできる入口までを整理します。

東京都の「アフォーダブル住宅」とは

東京都の「アフォーダブル住宅」は、官民で役割分担し手頃な家賃を増やす実験です。
ポイントは、価格そのものより“供給の仕組みにあります。
この仕組みは、地方の空き家でも「移住・子育て・担い手」向け住宅として応用でき、参入者に新しい勝ち筋をつくります。

子育て世帯等が住みやすい住宅を供給する

東京都は、官民連携の「アフォーダブル住宅供給促進ファンド」を通じて、子育て世帯等が住みやすい住宅を供給する構想を示し、家賃水準を「市場家賃の一定割合」に抑える提案や、供給戸数の見込みも公表しています。
ここで重要なのは、都心の住宅事情だけではありません。

都心は不足、地方は空き家増という“ねじれ”が続く限り、住宅は「場所のミスマッチ」に悩まされます。
つまり、住宅問題は「都市だけ・地方だけ」で完結しません。官(自治体)と民(事業者)が、誰に・どの水準で・どう届けるかを設計し直す局面に来ています。

参入者が得られる価値は…

1)「空き家×手頃な賃貸」の商品設計ができる

アフォーダブルの本質は手が届く水準に整えること。

空き家でも、ターゲット(移住者、子育て世帯、地域の担い手等)に合わせ、家賃・初期費用・住環境をセットで設計できます。
例:最低限の安全性と快適性に絞った改修+定期点検+見守りを“月額パッケージ化”。

2)官民連携の「運用・管理」が主戦場になる

都の構想でも、民間が運用に関わる設計が前提です。
空き家活用は、作って終わりではなく「貸し続ける・傷ませない・トラブルを減らす」運用が肝。建設・警備・介護・士業など異業種ほど、ここで強みが出ます。
例:巡回・緊急対応・生活支援・契約管理を分業し、地域で回す体制づくり。

3)空き家の流通前を取りにいける(マッチングと仕組み化)

空き家は市場に出る前が長い。相談、意思決定、相続・遠方管理、近隣配慮など、前工程に価値があります。
例:自治体や地域団体と連携し、空き家予備軍の段階から「管理→貸す→次の活用」までの導線を作る。

考えられる落とし穴は?

1)「安く貸すだけ」で消耗する

回避策:価格競争ではなく、ターゲットと提供価値(安心・見守り・管理品質・住環境)を明文化。家賃以外の満足を作る。

2)行政連携が“期待のすれ違い”で止まる

回避策:目的(定住・子育て・担い手確保等)とKPI(入居率、苦情件数、修繕対応日数など)を先に握る。都のように「仕組み」で動くほど、ルールが要です。

3)物件品質のばらつきでクレームが増える

回避策:最低基準(安全・衛生・防犯)を“チェックリスト化”し、改修範囲を最初に線引き。必要に応じて専門家(建築・法律)へ接続する。

今日できる次の一歩

  1. 「誰のための住宅か」を1つ決める(例:子育て世帯、単身、移住者、地域の担い手)。

  2. 空き家を10件だけ棚卸し(立地・状態・近隣・貸せそうかの一次判定)。

  3. 必要パートナーを3業種だけ揃える(建築系/士業/管理・見守り系)。

  4. まず1件で運用できる形まで作る(点検頻度、緊急連絡、修繕ルール、入居条件)。

  5. 実績の見せ方を整える(写真、点検レポート、改善履歴=信用の材料)。

空き家管理士協会からの提案

アフォーダブル住宅の議論は、「制度」だけでなく「現場を回す人材」がいて初めて形になります。
空き家活用も同じで、点検・劣化予防・近隣配慮・トラブル対応など、地味だけど効く運用力が価値です。
空き家管理士協会では、こうした運用の型(チェックリスト、報告、連携の作法)を学べる研修や、全国の実務者ネットワークを通じた相談導線づくりを進めています。

まずは情報収集からでも大丈夫。自分の業種の強みが、どこで活きるか一緒に整理しましょう。

空き家管理士協会は、空き家の可能性に挑戦します。

この記事の背景や現場目線の補足は、ぼくの空き家ビジネスnoteで詳しく解説しています。

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