再建築不可でも“稼げる宿”に?訳あり物件を価値に変えるDIY再生のヒント

「都心は高すぎて、もう参入は無理…」そう感じる人は多い一方で、同じエリアでも誰も欲しがらない物件存在します。

実際、再建築不可・借地・築古・検査済証なしという「四重苦」空き家が、DIYをきっかけに人気の宿へ生まれ変わった事例が紹介されました。

結論から言うと、空き家ビジネスの勝ち筋は「条件が良い物件を探す」だけではなく、「条件が悪い理由を理解して、価値の作り方を設計する」ことにあります。

東京23区でも「売れない空き家」はある

「都内は高くて買えない」という声が増える一方で、23区内にも誰も欲しがらない物件がある。

今回紹介するのは、いわゆる訳あり条件が重なった空き家が、DIYで素敵な宿に再生された話です。

キーワードは「四重苦」

今回の記事で挙げられていたのは、

  • 再建築不可(壊したら新しく建てられない可能性)

  • 借地(土地が自分の所有ではない)

  • 築古(古く、劣化や修繕の不確実性が大きい)

  • 検査済証なし(法的手続き面で確認が必要になりやすい)
    という4つ。これが1つでも敬遠されがちなのに、4つ揃うとプロでも「難しい」と感じる条件です。

「条件が悪い=ダメ」は、ビジネスでは思い込みになることがある

一般的には、立地が良く条件の良い物件が理想。これは正しい。けれど空き家ビジネスを“事業”として見ると、条件が悪い物件には別の特徴が出てきます。

条件が悪い物件には「競争が少ない」という事実

条件が悪いほど、検討者が減ります。すると価格が抑えられたり、ライバルが少なくなったりするケースがあります(もちろん個別事情で変わります)。記事でも「扱いづらいが、価格が安く、競争相手もいない」といった見方が示されていました。

価値を生むのは“物件”ではなく“編集力”

今回の事例では、北欧出身のモデルが「ボロボロをかっこよくするのが面白い」という感覚で、四重苦の物件をDIYで再生し、人気の宿へつなげたとされています。
ここで大事なのは、“物件スペック”よりも「その物件の弱点を理解し、別の魅力に置き換える設計」です。言い換えると、空き家ビジネスは価値の再編集の仕事になっていきます。

リスクは「無視」ではなく「理解して向き合う」

とはいえ、訳ありには訳ありの理由があります。

再建築不可なら将来の選択肢が限られる可能性、借地なら地主との関係性、築古なら予期せぬ修繕、など。

記事でも「リスクはある」とはっきり触れています。

勝ち筋は「リスクを前提にした設計」

空き家ビジネスで事故が起きやすいのは、リスクを知らずに飛び込む時です。逆に言えば、

  • 何がリスクか(法務・権利関係・建物状態・近隣)

  • どこまで許容できるか(出口戦略・運営の持続性)

  • 誰と組むべきか(不動産・建築・法務など)
    を最初に整理できる人ほど、訳ありを“武器”に変えやすくなります。記事でも「リスクを無視するのではなく、理解して向き合うこと」が重要だと述べられています。

空き家ビジネスと「不動産投資」の違い

記事の指摘が鋭いのはここです。条件の良い物件を買って普通に貸すのは、不動産投資として成立しやすい。

一方で、空き家ビジネスの本質は「誰も価値を見出せなかったものに、新しい価値を吹き込む仕事」だ、と。

異業種が強くなる余地がある

この価値を吹き込む領域は、必ずしも不動産プレイヤーだけのものではありません。たとえば、

  • 企画・ブランディング(宿や拠点の世界観づくり)

  • 運営(清掃・接客・導線設計)

  • 地域連携(体験プログラム、観光・飲食とのコラボ)
    など、異業種の得意が刺さる可能性があります。空き家管理・活用は「多業種連携」で伸びやすい市場です。

この発想は地方でも使える

今回の舞台は東京23区ですが、「地方でもこの手法が使えるケースはある」と思います。
地方はそもそも物件価格が都心ほど高くない一方で、「条件が悪い物件が放置されやすい」という課題もあります。

だからこそ、

  1. 価値の再編集(何を魅力に置き換えるか)

  2. リスクの棚卸し(誰とどう確認するか)

  3. 運営の設計(売るのか、貸すのか、回すのか)の順で考えると、勝ち筋が見えやすくなります。

協会として伝えたいこと

空き家ビジネスは「儲かりそう」で始めると、壁にぶつかりやすい分野です。

けれど、訳あり物件を前にしても、弱点を理解し、価値の作り方を設計できる人にはチャンスが残っています。
もし参入を考えるなら、まずは物件探しより先に、リスクの見取り図チームづくりから始めるのがおすすめです。

協会では、そうした実務の入口(考え方、注意点、連携先の作り方)を学べる導線を整えています。

FAQ

  1. Q:再建築不可って、絶対に活用できない?
    A:活用自体は可能なケースもありますが、制約が大きいので「何ができて何ができないか」を個別に確認する前提です。

  2. Q:借地物件で一番の注意点は?
    A:地主との関係性と契約条件です。運営中だけでなく、更新や譲渡の扱いまで見て判断します。

  3. Q:築古DIYって、費用が読めなくて怖い…
    A:想定外は起き得ます。だからこそ、最初に「優先順位(安全・雨漏り等)」と「やらない範囲」を決めるのが現実的です。

  4. Q:ゲストハウス・民泊にすれば成功しやすい?
    A:一概には言えません。立地・需要・運営体制・ルール確認が揃って初めて成り立つので、事業としての設計が先です。

  5. Q:異業種が参入するなら、最初の一歩は?
    A:いきなり購入より、現場のパートナー探し(不動産・建築・法務など)と、小さな案件からの実践が安全です。

空き家管理士協会は、空き家の可能性に挑戦します。

この記事の背景や現場目線の補足は、ぼくの空き家ビジネスnoteで詳しく解説しています。

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