「限界集楽」という発想。人口減でも笑顔が増える空き家活用
「空き家活用って、結局は人口が増える地域じゃないと難しい…」そう感じている人は多いと思います。
けれどこの明延区では、住民40人ほどの集落で、10年空いた建物が毎週人が集まる場に生まれ変わりました。
ポイントは、派手な再開発ではなく「地域の記憶を見つけ直し、外部と組んで、無理なく回す仕組み」を作ったこと。
空き家ビジネスは、物件の再生だけでなく「関係性」で伸びるんですね。
明延区は、かつて鉱山で栄えた地域ですが、現在は住民40人ほどの小さな集落です。
そこで10年空き家だった「小林たばこ屋」が、2025年6月に交流拠点「小林たばこ総合会館」として再生しました。
きっかけは2023年11月、建物の看板に施された鏝絵がSNSで注目されたこと。
「残してほしい」という声が可視化され、保存から再生へ流れが生まれました。
※鏝絵は、左官が鏝(こて)で漆喰などを盛り上げて描く立体的な装飾・絵のこととして紹介されています。
明延区で何が起きたか
再生には、NPO法人但馬を結んで育つ会、コミュニティデザインラボ、養父市社会福祉協議会などが連携し、地域内外がチームになった点が特徴です。
資金はクラウドファンディングや補助金等を組み合わせ、運営は住民ボランティアの協力で、毎週火曜日に開館する形で回しています。中には、地元野菜や生活用品を扱う「明延購買部」、鏝絵の龍をモチーフにしたグッズを扱う「空想土産屋」など、「暮らしと楽しみ」の両方を置いた設計。
さらにオンライン診療「テレビ病院」の実証実験も始めた、と紹介されています。
この事例が示す成功要因は、空き家を「リノベして終わり」にせず、人が集まる理由を先に作ったことです。
「建物の価値」より「物語の価値」を掘り当てる
注目の起点になったのは、看板の鏝絵という象徴。
空き家活用は、立地や築年数だけで評価されがちですが、実際は「地域の記憶」「語れるストーリー」がキーワードになることがあります。
異業種が入る余地をつくる
購買(小売)、土産(企画・デザイン・販路)、オンライン診療(医療連携・実証)、運営(コミュニティ・イベント)など、複数の役割が同居しています。
ここに、建設・不動産だけでなく、警備、介護、士業、IT、広報など“異業種が刺さる入口”が生まれます。
小さく始めて、回しながら育てる(週1開館の強み)
毎日フル稼働を目指すより、週1でも「必ず開いている日」がある方が、運営負荷を抑えつつ習慣が生まれます。
結果として「毎週ここに来るのが楽しみ」という声につながった、と紹介されています。
空き家ビジネスで重要なのは、最初から完璧を目指すより、継続できる運用設計を置くこと。ここは参入者が最も真似しやすい部分です。
空き家ビジネスに興味がある人が押さえるべき注意点
一方で、成功事例はそのままコピーすると若干ズレます。
明延区のキーワードは「限界集楽」。限界を超えて“楽しい”を集める発想でしたが、地域が違えば、楽しいの定義も、必要な機能も変わります。
また、空き家は権利関係・近隣合意・管理責任など、整理に時間がかかるケースもあります(個別事情によります)。
参入時は、物件だけでなく「関係者のマップ」を先に描くのが現実的です。
こうしたプロジェクトは、熱量だけでも、技術だけでも回りません。
現場では「状態把握→方針→役割分担→運用」の共通言語が必要になります。
協会の資格・研修は、その共通言語を揃える入口として活用できます。
さらに、地域を超えた連携(外部チーム参画)が成果を後押しした点は、全国ネットワークの価値を示します。
まずは情報整理から。「自分の業種だと、どこで価値提供できるか」「最初の案件はどう作るか」など、相談ベースでの壁打ちも可能です。
この記事の背景や現場目線の補足は、ぼくの「空き家ビジネスnote」で詳しく解説しています。
















