空き家ビジネスは儲からない?「相談は来るのに契約3割以下」?
「空き家の相談は増えているのに、なぜ契約まで進まないのか」。
現場の違和感を抱えている不動産・建設・士業・介護・警備などの方は少なくありません。
記事内で紹介された調査では、空き家に関わる事業者は増え、低廉物件に前向きな声も多い一方で、契約化は伸び悩む傾向が示されています。
結論から言うと、空き家ビジネスは物件単体の儲けより「周辺の困りごとを束ねて仕組みにする」発想が勝負になります。
空き家ビジネスは「需要があるのに回りにくい」市場
この調査では、不動産会社の68.7%が「空き家取引に関わったことがある」と回答しています。
つまり、空き家は特殊案件ではなく、すでに業務の延長線に入ってきている、という見立てもできます。
一方で、相談が来ても契約に至る割合は「3割以下」が多いという結果も示されています。
相談10件のうち、契約は3件以下。ここに市場のもったいなさがあるといえます。
契約が進まない最大要因は「お金問題」
希望価格と市場価格が噛み合わない
失注理由の上位として挙げられているのが「価格・金銭面」。
売主の希望と、実際に買い手が出せる金額がズレる。
特にエリアの相場感が違うと、話が止まりやすいです。
空き家は「感情の資産」でもあります。
思い出補正が価格に乗る一方、買い手は修繕・維持の現実を見て判断する。
ここを丁寧に説明できる人が不足すると、契約は頓挫します。
解体・リフォーム・残置物…「売る前コスト」が重い
自治体側の調査として紹介されている内容でも、所有者が手放せない理由のトップに「解体やリフォーム、残置物撤去など費用がかかる」点が挙げられています。
さらに残置物には、単なる不用品だけでなく、仏壇・アルバムなど“判断が難しいもの”が混ざることも多い。
結果として「片付けが進まず、売却も進まない」という詰まりが起きやすい、という現場感があります。
「8割が前向き」なのに回らない。
記事内では、不動産会社の8割以上が「低廉な空き家取引に前向き」と紹介されています。つまりやる気はある。
ではなぜ回らないのか。
ポイントは、従来の不動産取引の枠(仲介手数料中心)だけでは、手間と収益が噛み合いにくいことです。
空き家は、調査・片付け・見積・段取り・関係者調整など、工程が増えがちだからです。
ここから先は、参入者が「周辺業務を束ねて商品にする」発想が重要になります。たとえば…
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残置物整理・撤去を、提携先とセット化して“見える化”する
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解体・リフォームを一括見積・工程管理まで含めて、売主の意思決定を軽くする
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自治体制度や補助の手続きを、分かりやすい案内・伴走支援に落とす(断定せず、自治体ごとの差がある前提で)
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買主候補のコミュニティ(移住・二拠点・セカンドハウス層)との接点を作る
「一件で大きく儲ける」よりも、「小さな利益を積み上げられる仕組み」に変える。この記事内の結論も、この方向性でした。
自治体は相談対応を任せたい。
自治体が宅建事業者に任せたい業務のトップとして「所有者からの相談対応」が挙げられている、という記述があります。
これは、自治体側の人手・専門性の不足という背景もあり得ますし、民間側にとっては「入口(相談)」を担えるチャンスでもあります。
ただし、相談が増えるほど「案件化」の設計が必要になります。
協会としては、こうした入口〜出口の流れを整えるために、
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空き家管理・利活用の基礎を体系化して学べる資格・研修
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異業種連携を進めやすい全国ネットワーク
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現場の判断に迷ったときの相談導線
を整え、参入者が「再現性のある動き方」を取りやすい環境づくりを進めています。
FAQ
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Q:空き家ビジネスは本当に儲かりますか?
A:従来の仲介だけだと難しい場面もあります。周辺業務を束ねて仕組み化できるかが鍵です。 -
Q:契約率が低いのはなぜ?
A:一番は価格のズレ、解体・撤去など売る前コスト、調整の手間が重なりやすいからです。 -
Q:異業種でも参入できますか?
A:可能です。片付け、見守り、施工、相談受付など得意領域から入る形が現実的です。 -
Q:自治体と連携するには何から?
A:まず相談対応フローの整理(誰が何を判断するか)から。小さく実証し、役割分担を固めるのが近道です。 -
Q:まず学ぶべきポイントは?
A:法令・制度を丸暗記より、現場で詰まりやすい論点(価格、費用負担、残置物、工程)を説明できる形にすることです。
この記事の背景や現場目線の補足は、ぼくの「空き家ビジネスnote」で詳しく解説しています。
















