空き家を解体する前に。神戸市「まちなか活用空地」に学ぶ跡地の活かし方

解体は悪ではない。ただ、決める前に考える時間を

空き家を地域で「残し続ける」ために。費用と役割の分担と、解体前に考えたい跡地活用

空き家を地域で「残し続ける」ために。費用と役割の分担と、解体前に考えたい跡地活用

倒壊の危険がある建物は、きちんと解体するほうが地域にとっても安心です。ただ、解体には後戻りができません。住宅が建っている土地には「住宅用地の特例」があります。ざっくりいうと、家が建っている土地は固定資産税が軽くなる仕組みです。更地にすると、一般的にはこの特例が外れ、税負担が増える可能性があります。

神戸市「まちなか活用空地」という選択肢

神戸市には、老朽建築物を解体した土地を、まちづくり協議会などが地域の空間として整備・活用する「まちなか活用空地」があります。所定の条件のもとで、土地所有者は固定資産税等の相当額について非課税または補助を受けられる場合があります。対象は灘北西部、兵庫北部、長田南部、東垂水の密集市街地に限られ、老朽建築物が建っていることが要件です。更地にしてからでは使えない点に注意が必要です。京都市や横浜市にも、跡地を地域の広場にする似た仕組みがあります。

「残し続ける」支援は始まっている。でも隙間がある

神戸市には、地域活動や交流の拠点として使う空き家・空き地の維持費用を補助する制度もあります。ただし対象は、地域利用バンクに登録され、地域団体が借りて活動する物件です。使い手が決まっていない家や、所有者が迷っている段階の家は、この入口にたどり着けません。

地域で費用と役割を分け合う

ここからは協会代表としての提案です。所有者・利用者は日常管理と利用分の費用を、地域の企業・住民は協賛や寄付、参加で支え、行政は既存制度の拡充や調整業務の委託で後押しし、地域の事業者は管理と橋渡しを担う。特に足りないのは、使い手が決まるまでの「つなぎ期間」の管理費、地域企業の協賛を受け止める受け皿、管理・調整を担う事業者への対価の3つです。

管理事業者が担える「つなぐ」仕事

日々の管理を担う事業者は、建物の変化にも所有者の迷いにもいちばん近い立場にあります。

所有者の意向の聞き取り、専門家や行政への橋渡し、地域の「応援したい」の受け止めは、管理の延長で担える役割です。

なお、契約の仲立ちをして報酬を受け取る場合は宅地建物取引業の免許が必要になる可能性があるため、宅建業者と連携する形が安心です。

まずは管理報告のついでに「この建物を、これからどうしたいですか」と聞くことから始めてみてください。

 

空き家管理士協会は、空き家の可能性に挑戦します。

この記事の背景や現場目線の補足は、ぼくの「空き家ビジネスnote」でも解説しています。

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