行政×民間の時代へ。空き家等管理活用支援法人から読むチャンス
改正空き家法で「予防」と「民間連携」が進み、空き家ビジネスは追い風になりうる時代へ。
管理不全空き家や支援法人の動きから、参入の勝ち筋と最初の一歩を整理します。
「空き家って行政の取り締まりが怖そう」「専門用語が多くて参入しづらい」相談の場で、そんな声をよく聞きます。
ニュースも「空き家=問題」に寄りがちですよね。
でも最近の国交省の公表資料を見ると、流れは少し変わっています。
ポイントは「ボロボロになる前に動く(予防)」と「行政が民間と組む(連携)」が進んでいること。
ここを押さえると、空き家ビジネスは追い風になりうる領域として見え方が変わってきます。
空き家ビジネスは本当に儲からないのか?
空き家管理や活用に興味を持つ人ほど、最初にぶつかる壁があります。
それが「行政の話って難しそう」「制度が変わるとリスクも増えそう」という不安です。
たしかに、空き家対策は法律・税務・補助金など複数分野にまたがります。
だからこそ、勢いだけで参入するとミスマッチも起きやすい。
ただ、ここで見落としたくないのが「行政側の動き方が変わってきた」という点です。
今、追い風になりうる理由は2つ
理由1|行政が予防に本腰を入れ始めた
改正空家法の流れの中で注目されるのが「管理不全空き家等」という考え方です。
超ざっくり言うと、このまま放置すると危ない状態に近づく空き家の段階で、行政が指導しやすくなった、ということ。
国交省の公表では、2025年3月31日までの取組として、管理不全空家等への指導3,211件、勧告378件が示されています。
数字だけ見ると「そんなにあるの?」と感じるかもしれませんが、事業者目線ではこう読み替えできます。
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所有者が「そろそろ何とかしなきゃ」と考え始める「早いタイミング」が増える
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早い段階ほど、管理・片付け・見守り・活用検討など、打ち手が残っている
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結果として「相談→提案→継続契約」になりやすい土台ができる
理由2|民間が“公式に”パートナーになれる仕組みが出てきた
もう一つの大きな変化が、空き家等管理活用支援法人の制度です。
これは市町村が指定する民間団体等が、相談対応や普及啓発などを担う枠組み。
国交省の発表では、95法人(64市町村)が指定され、さらに指定検討も広がっていることが示されています。
要するに、行政が「民間と一緒に進める」前提に寄ってきている。
これまで空き家ビジネスは、
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行政情報にアクセスしづらい
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所有者との接点がつくりにくい
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信頼の初期コストが高い
という孤独な戦いになりがちでした。
でも今は、自治体側も連携の会話を始めやすい。ここは参入者にとって大きな追い風です。
「うちみたいな小さな会社には関係ない?」への答え
支援法人の指定を受けるには要件もあります。けれど大事なのは、認定を取ることだけがゴールじゃないこと。
現実的なルートは3つあります。
① まずは“相談の受け皿”を整えて役所に伝える
いきなり大提案より、
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相談対応の導線(窓口/LINE/フォーム)
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対応範囲(管理、見回り、清掃、通風、草木、簡易補修、活用検討の伴走など)
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連携先(不動産、士業、解体、リフォーム等)
を整理して、「地域にこういう体制があります」と伝えるだけで、会話の質が変わります。
② 支援法人“周辺”で協力関係をつくる
支援法人そのものにならなくても、
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指定された団体と協業する
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商工会・商工会議所・地域団体と一緒に勉強会をやる
など、周辺の連携で十分に仕事は生まれます。
③ 入口商品をつくって、継続に設計する
空き家領域は単発だと利益が出づらいこともあります。だからこそ、
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入口:見回り・簡易点検・写真レポート
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中段:定期管理(季節対応、草木、郵便物、通風等)
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出口:活用提案・賃貸・売却支援(※専門領域は連携)
のように、サービスを階段状にして継続率を上げる設計が勝ち筋になります。
協会として伝えたいこと。「学びと信用」が最短ルート
空き家ビジネスは、やる気だけで走ると事故りやすい領域です。
一方で、制度の変化によって「相談が増える土壌」も整い始めています。
だからこそ協会としては、次の2つを提供したいと思っています。
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現場で使える基礎知識:用語の理解、行政連携の進め方、相談対応の型
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全国ネットワーク:地域の事業者・士業・不動産・建設など、連携の“線”を増やす
最初の一歩は小さくてOKです。
「役所に話を聞きに行く」「支援法人の動きを調べる」「相談導線を整える」。
その積み重ねが、空き家を“問題”から“可能性”へ変える仕事につながります。
FAQ
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Q:改正空き家法で、事業者に関係が深いポイントは?
A:「予防(管理不全段階)」と「行政×民間連携(支援法人など)」が進んだ点です。 -
Q:支援法人に指定されないと仕事になりませんか?
A:いいえ。指定団体との協業や、自治体への情報提供など“周辺”でも十分チャンスがあります。 -
Q:異業種でも参入できますか?
A:可能です。強み(点検・清掃・警備・介護・士業・IT等)を「定期管理」や「相談導線」に組み込みましょう。 -
Q:最初に用意すべきものは?
A:相談導線(窓口)と、対応範囲の明文化、連携先リストの3点があると進みやすいです。 -
Q:価格や税務の説明はどうすれば?
A:断定せず、必要に応じて税理士・司法書士等と連携して“安全な言い方”と“確認手順”を用意するのがおすすめです。
この記事の背景や現場目線の補足は、ぼくの空き家ビジネスnoteで詳しく解説しています。
















