2026年10月のふるさと納税見直しと、空き家管理の返礼品の可能性
【ふるさと納税の返礼品に「実家の見守り」を。空き家管理事業者が担い手になるという選択
2026年10月、ふるさと納税の地場産品基準が見直されました
今回の見直しの中心は「地場産品基準」の厳格化です。地場産品基準とは、返礼品がその地域で生まれた価値を持っているかを確かめるルールのことです。
加工品については、価値の過半が区域内で生まれたことを、原則として価格にもとづいて事業者が証明し、自治体が公表する仕組みになりました。
この基準は主に加工品が対象で、サービスにそのまま当てはまるものではありません。
ただ、制度全体が「地域で生まれた価値」を重視する方向に進んでいることは読み取れます。
空き家管理は「その地域でしか生まれない」サービス
空き家の見回りや草刈りは、倉庫から発送できません。現地に人が行って初めて提供できるサービスです。
各地で広がる空き家管理の返礼品
名古屋市では、シルバー人材センターの会員が空き家の外観や敷地を確認し、写真付きで報告する返礼品があります。
犬山市では、剪定・伐採は造園業者が返礼品として担い、草刈りはシルバー人材センターが直接受けるというすみわけができています。
北九州市では、地元の空き家管理団体が市に提案して返礼品が実現しました。
ぼくも、香川県観音寺市で空き家管理の返礼品を提供しており、依頼の多くは首都圏からです。
事業者が知っておきたい二つのルール
住民には返礼品を出せない
自治体は、区域内に住む人には返礼品を提供できません。
裏を返せば、顧客は最初から「故郷を離れて暮らす家族」に絞られます。
返礼品の調達費は寄付額の3割以下
返礼品だけで大きな売上を見込むのは難しいと考えておくのが現実的です。
写真付きの報告で信頼を得て、継続管理や修繕、片付け、売却・活用の相談につなげる「入口」として設計するのがよいでしょう。
参入前に準備しておきたいこと
まず、自社サービスの通常料金を明確にしておくことです。
加工品で始まった一般販売価格の考え方が、今後サービスにも広がる可能性があります。
次に、依頼者と所有者が異なる場合の線引きです。寄付者は子ども、所有者は親というケースは少なくありません。
返礼品は外観と敷地の確認までとし、室内の確認は所有者の同意を得た継続契約で行うなど、ルールを決めておくと安心です。
自分の町に空き家管理の返礼品がなければ、事業者から自治体へ提案するという道もあります。
まとめ
空き家が増えること自体が問題なのではなく、誰にも見てもらえなくなることが問題です。
ふるさと納税の返礼品は、遠くに住む家族と地域の事業者をつなぐ新しい入口になりえます。
まずは自分の町の返礼品一覧で「空き家」と検索するところから始めてみてはいかがでしょうか。
この記事の背景や現場目線の補足は、ぼくの「空き家ビジネスnote」でも解説しています。
FAQ 5問
Q1. 空き家管理サービスは、ふるさと納税の返礼品として認められるのですか?
すでに複数の自治体で提供されている実例があります。ただし、返礼品として認められるかは自治体ごとの判断や基準によるため、まずは地元自治体の担当課に確認するのが確実です。
Q2. 2026年10月の基準見直しで、空き家管理の返礼品は有利になりますか?
「価値の過半」の証明ルールは主に加工品を対象としたもので、サービスに直接適用されるものではありません。有利・不利を断定することはできませんが、地域で生まれる価値を重視する流れとは相性がよいと考えられます。
Q3. 返礼品だけで事業として採算が取れますか?
返礼品の調達費は寄付額の3割以下というルールがあるため、一般的には返礼品単体で大きな売上を見込むのは難しいと考えられます。継続契約や関連業務につなげる入口として位置づけるのが現実的です。
Q4. 依頼者と家の所有者が違う場合、どうすればよいですか?
寄付者が子どもで、所有者が親というケースはよくあります。返礼品の範囲を外観と敷地の確認までにとどめ、室内に入る作業は所有者の同意を得たうえで別契約にするなど、事前にルールを決めておくことをおすすめします。
Q5. 自分の町に空き家管理の返礼品がない場合、どうすればよいですか?
事業者の側から自治体に提案して実現した例もあります。自社の通常料金やサービス内容、報告書の見本を用意したうえで、ふるさと納税の担当課に相談してみるのが第一歩です。

















